全22巻・
『人形の騎士』
■登場人物
ペドロ
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主人公で才能に恵まれた人形の技師。13歳。自分の作った蒼騎士という傀儡(くぐつ)を操ることが出来る。《蒼騎士》は剣術を使うバランス型人形。
ティーア姫
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ヒロイン。ターコイズブルーの瞳を持つ王女様。年齢はペドロと同年齢らしいが、それで女王に即位というのは奇妙な話だけどあくまで物語なので構わないかと。
カプリ
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ペドロの師匠。本名カプリ・オラトリオ。人形細工の名匠で、ペドロの才能を見出し、強引に弟子にする。彼の人形は《黒法師》と呼ばれる機動性に優れた格闘タイプ。
ガストン公爵
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ティーア姫の叔父さん。王位を狙って刺客を送る。
ハーレクイン
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人形遣いで仮面の暗殺者。《カラミティ》という紅い悪魔人形を使う。
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■手先の器用な主人公ペドロ君は、人間大の操り人形(傀儡)を作り出す名匠カプリ爺さんの弟子となり、王都の工房で修行していた。
彼が作ったのは『蒼騎士』という、青い騎士のようなデキのよい人形。彼はそれを従えて街に出るのですが、そこで襲われていた女の子を助けます。それは即位を控えた王女様で、彼女は王位を狙う叔父に追われているのでした。
で、彼女は戴冠式まで護衛してくれと言うので、OKするペドロ君ですが、騎士を動かしているのは自分だと言いそびれてしまい、自分は従者だという事にして側にいる事にします。
王位を狙う叔父のガストン公爵は、《蒼騎士》の妨害で計画がうまくいかない事で、人形遣いの暗殺者ハーレクインに依頼します。そしてペドロと戦うわけです。
一度は敗れるペドロですが、姫様が信頼してくれている事を噛み締め、再戦して敵を倒します。しかし、暗殺者はこのままでは《十三工房》が黙っていない、とカプリに言い残して去っていくのでした。
■考察
舞台はヴェルトルーナという土地。これは『英雄伝説X』と同じ世界の話であり、この小説があるという事は、世界が繋がっているという証であります。なにげに凄い事実です。
さて、ケビンがマーシア孤児院の子供達に聞かせていた話であり、《身喰らう蛇》の技術部門を示す《十三工房》も名前だけ登場します。そして、SCではレンもパテル=マテルの操縦についてこの物語を例に挙げた発言をしています。
ストーリーとしては簡単な活劇あり、ペドロと姫の信頼関係ありと、孤児院の子供達が喜ぶような面のある、わかりやすい大衆向け作品です。
ただ、この話は完結はしているものの、続巻が出るとでも言うような終わり方をしています。劇中で登場する暗殺者は《十三工房》という名を残すだけで、詳細を語るわけではありませんし。
また、これは個人的な印象ですが、暗殺者ハーレクインは、カンパネルラに似たような雰囲気を持っているようにも思えました。
そして、《身喰らう蛇》には《十三工房》というこの物語で登場する組織が登場します。だとしたら、別の部分も使われている可能性もあります。傀儡、というモノを覚えておいて損はないかもしれません。
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